メモ

記録

厚底ブーツ、高級チョコともつ鍋

某日

通ってた大学の最寄り駅に久しぶりに降りた。

大学(は違うが)の先輩二人と昼ごはんを食べて、お茶をする。

昼ごはんの店は大学の頃は絶対なんか違う店だったと思うんだけど思い出せない。自然薯レストラン?になっていた。ほたてをはじめとする天ぷら盛り合わせ+そばを食べる。

当時、激情型幼馴染から「自己肯定感を高めるためにスケジュールを埋めてしまう、忙しく立ち働いていると気がまぎれる」みたいな話をされていたので、先輩二人に「自己肯定感が下がったときどうするか?」という質問をした。「あんまり下がらない」「上げようともならない。寝る」みたいな返答がきて、気持ちの良い人たちだなと思った。

本格的なドッチボールサークルの話を聞く。「体験に来ている初心者の人に対して、手加減してあまりボールをあてないでいると、かえって試合終盤に追い込まれて怖い思いをさせてしまうので、早めにアウトにしてあげたほうが本人のため」みたいな話をされて、なんかすごいなと思った。

カフェに移動して、私が「キングヌーのことを好きになりたいのにどうもなれない」という相談をする。好きになれないモンはしょうがないという結論に当然至ったが、「キングヌーのこと好きじゃないなんて公共の場で言ったら、帰り道でドクターマーチンとかみたいな厚底のブーツを履いた人に襲われるよ」と言われたので怯えた。それから、その先輩に「知り合いのキングヌーファンが宅飲みの最中に皆を放置してキングヌーのPVを観始める様子」の動画を見せてもらった。横の賑わいを完全無視してPC画面に釘付けになっている、あんまり厚底ブーツは履かなさそうな感じの女性の動画だった。ちょっと怖かった。

ミレパの新曲を聞かせたら音楽に詳しい方の先輩が「耳がいっぱいになる…」と顔をしかめていた。耳の解像度が高い人に聞かせるとそうなってしまうっぽい。

高田馬場に移動。うなぎの白焼きなどを食べる。美味しかった。

先述の悩める幼馴染の話を聞いていき、結局安直に転職を進める。

化粧ポーチをトイレに忘れて帰った。

 

某日

Twitterで知り合った人がなんと同じ町に住んでおり…!という経緯で付き合いが始まった人と会う。

なんかいろいろをいただく。お茶に詳しい人で、見たこともない茶葉を二種類くれた。

ただ、この街で一杯380円の赤ワインはマジで底値っていうか、ずっと頭が痛かったし翌日まで酒が抜けなかった。焼酎とのちゃんぽんが良くなかったか?いやあ、それくらいならいつもしてるしな。

 

某日

またべつのTwitterで知り合った人と会う。広尾でカフェをはしごしていい感じのものを食べる。生まれて初めて、高いチョコ(一粒数百円するやつ!)をもらう。恐縮する。

恵比寿に移動して、激情型幼馴染と、欧米育ちの女と三人でイタリアンを食べる。金融やらなんやらにいた時の「ヤバ案件」の話などを聞き、う~ん、でっかい金がヤッバい価値観ではじけ飛んだりする話はコンテンツ力が強くていいなあ、と爆笑しながらも嫉妬。私なんてしょせん、下請けのIT屋さんに過ぎないのでね…

「なぜ暗めのアニメとBLの金字塔では、己の孤独を理由に優しい人を傷つけることが神視点から”エモ”みたいになってることが多いのか!?それでもなお、その暴力は許されないだろう!!」という話を激しく力説した。

欧米女は「仕事で失敗した時、知恵袋などでもっとやばい失敗をしている人の体験談を漁って安心を得ようとしてしまう。みんな下には下がいると思いたいのだ」(=作品中で闇落ちしているキャラに若干感情移入するものの、でも自分はまだこういう暴力には訴え出てないぞ、と思えるのでは?)と言っていた。

激情型幼馴染は、「でもさあ~まあ人なんて殺しちゃったら人生オワオワリだけど、もし自分の人生を一冊の本にするとしたら、内容は充実していた方がいいわけで…」などと言い出したので爆笑したが怖くはあった「オワオワリ」って言う人初めて見たな…

店の中、なんか偉そうな男性と髪がばちばちにセットされている女性、という組み合わせが何組かいて怖かった。

 

某日

友達に送る古着を梱包したりしてから、ネトフリでDeath to 2020を見つつぼんやりチョコを食べたりしつつだらだら化粧をしたり髪を巻いたりしていたら待ち合わせの時間に遅れる。

グルメの先輩と二人ともがよく行く焼肉屋に初めて二人で行った。

いつも一人で行くと、店主から「こないだ〇〇さん来てましたよ!」と言われて「そうですか(元気にやってるんだな)」みたいな謎の焼肉屋店主を介した生存確認をしたりしていたんだけれども満を!持して!二人で!

焼肉はいつもながら美味しかった。ふだんご馳走してもらうことばかりなのでしょぼいお菓子(HIGASHIYAの落雁)を渡したところ、あっけなく有名パティスリーのチョコで打ち返された。グルメの道で私が彼に先んじる日は一生来ないであろう…舎弟になろっと。

 

某日

絶賛彼氏探し中のマブダチがうちに来る。

蟻月のもつ鍋が食べたいので、お取り寄せでしっぽりやろうという算段。

汁の味にいろいろとバリエーションがあるので、事前にLINEで話し合って、「赤(しょうゆ味)がたべたい」という友人の意見を私が押し切って、「炎(辛みそ味)のもつ鍋にしよう」ということに相成っていたのだが、食べ進めても全然辛くなく、「いやこれ間違ってるでしょ」「少しも辛くないよ」「てか醤油味だよこれ」などと言い合っていたが、三分の一ほど食べたところで突然、「あ、間違えてたわ」と私がミスに気付いた。

我々が食べていたのは炎(辛みそ)のもつ鍋ではなく、赤(しょうゆ)のもつ鍋だった……んですよね……

私が発注したんですけど、「炎」を意識しすぎて、炎の色(=「赤」)のやつを頼んでしまいました。たぶん。言い訳ですけど。たぶんポチった時半分寝てました。

「まあ私はもともと赤が食べたかったからいいですよ」と友人がのんびり言うので私だけが「辛みそ…」とがっくりきていた。

彼女は私の友人の中では本当に珍しいくらい「普通」を愛する人間(そのあまりに強い愛し方がちょっと変という見方もあるが)で、自立はしているがこれといったこだわりもなく、他人に対する好き嫌いがあまりない。それでどうやって付き合う人間の種類や、付き合いの深さを決めているのか全然分からなかったので、それを聞いたところ自己開示の加減は向こうがどれくらい開示するかに合わせているんだよと言われた。

ほお~ん、みたいに返事したと思う。全然分からなかった。

私の場合はこれこれこうで、という話をした。ほお~ん、みたいな反応だったと思う。頻繁に会っているけど、いつも壁打ち状態になる。ぜんぜん嫌ではない。

もつ鍋で部屋がくさくなるかと思いきや、階下の居酒屋が煮込んでいるニンニクカレー(なのか???とにかくそういう匂いだ)の方がずっと強く、マンションのエントランスがすごいスメルになっていた。

 

某日

ネトフリでルパンを見る。

昼から、お取り寄せチョコを送り合った後輩二人(既婚1、独身1)とオンラインお茶会をする。

一応、身の回りの結婚状況についての情報を共有する。チョコの食レポを頑張りながら近況など話す。独身の後輩に「私たちはこんな、ちょっとシュールな四コマギャグ漫画みたいな日常送ってる場合なんですかね!?」と言われ、「ちょっとシュールな四コマギャグ漫画みたいな日常とか最高だろ!」と言い返す。

既婚の後輩がしてくれた「ちぢみほうれん草がおいしい。普通のほうれん草と同じ食べ方をしても、ちぢみほうれん草の方がなんかおいしい」という話と、「職場で差別的なことを言ってはばからない人たちに対する呼び名が”森”、”森たち”になった」という話が有益だった。

ひとしきり盛り上がって、激情型幼馴染との待ち合わせに1時間遅刻する。

彼女は基本的に毎回必ず30分単位で遅刻をしてくるのだが、今日に限って無遅刻・かつ私に芋やチョコなどを持ってきてくれていたのでやや恐縮する。

カフェで私を待っている間、彼女の隣に激しく嫌な感じの話をし続ける妙齢の女性①とそれをただ静かに訊く妙齢の女性②がいたらしく、①について「内面は顔に出るね。いじわるババアの顔してるよ」と幼馴染からLINE実況が届く。「いじわるババア」にはなりたくないな…と思う。ババアでもジジイでも構わないのだが、「いじわる」と評される中年はきつい。笑えない。たぶん、どの角度から見てもあんまり社会貢献にならない。

 

某日

中学と高校が一緒だった(はずだが当時の思い出はほぼ無い)同級生が、「一人暮らしを始めて寂しい」という理由で家に招いてくれたので、ほいほいと呼ばれる。

大学の間、ときたま同席の機会がありそこで「ヨッ」と挨拶したり、その後インスタのDMでたまにリアクションを送り合ったりはしていたが、二人きりで会ったことはなかったので、たいそう緊張して出かける。

素敵なお部屋・おしゃれでおいしいごはん・次々に出てくる紅茶やコーヒー・賢い人から繰り出される含蓄のある話 でばっちりともてなされ、上機嫌で帰宅した。

内なる魂はグラグラと燃えているのだと思うが、人当たりの印象が(いうなれば私の500000000000000倍)柔和でやさしげだからか、彼女が他人に何か無礼なこと(だと私は勝手に判断いたした)を言われた話を聞いていると、私の方が「そんな傲慢な人間とは付き合わなくてよい!!!!!」などとおいらはボイラー状態になってしまった。沸点低。

「私はその人と会ったことはないし、一面的な見方をした上でこれを言うけど」とか「これは悪口のつもりではないけども」とか無意味なエクスキューズをつけてブシュブシュと湯気をまき散らし乱暴にいろいろなものを断罪する私に、彼女はあくまで微笑んでいたので本当に人間ができているなと思った。

断罪するのは簡単なんですよ。色々と彼女と話していて思ったけど、曖昧さや複雑性を引き受けようとするのは頭にも心にも大きな負担を与えますが、その方が世界に対して誠実ですよね。わかる。

帰宅して、ウーバーイーツしたタイ料理を食べなあがらThe InBESTigatorsのS1を最後まで見た。