メモ

記録

永遠と一瞬、「ボーボー」、おなか具合

8月9日 晴れ 強風

上原ひろみ×新日フィルのコンサートに行く。指揮は沼尻竜典

ちょうど前日、知り合いのブラスバンドの演奏を聞いたところだったので、そのとき指揮者の動きに何となくおぼえた違和感がなんだったのか分かった。下半身の動きと、横の流れだ……

ところでジャズの演奏って、即興的な要素が強いから、聞いている側は曲がいつ終わるのかわからず(もちろんコード進行や雰囲気的に終わりに向かい始めたら分かるが)、聞いているあいだなんとなく時間の感覚が遠のく。永遠に続く、終わりのない曲を聞いているような気持ちになる。

しかし一方で、即興であり、全く同じ旋律を二度と聞くことはできないから、その点で圧倒的な「一回性」を有していて、その音楽は一瞬でどんどん目の前から消えていく。

永遠と一瞬。音楽の醍醐味である………!


8月11日 晴れ

起き抜けに、眉毛まつ毛サロンに行き、眉毛を整えてもらう。あまり長く生やせていなかったせいで、毛抜きによる処置がいちいち痛い。

痛みで完全に目が覚めた。

「次はもっとボーボーにしてきてください」と店員さんに釘を刺された。

丁寧な語調と「ボーボー」という擬態語のちぐはぐさがいつまでも後引く違和感であった。


8月12日 くもりのち雨

『赤いモレスキンの女』を読み終え、『数字で遊ぼ』の新刊を読み、4時半頃就寝。

前日に酔った勢いでチケットを買った己を呪いながら有楽町まで這って行き、ドルビーシネマでインザハイツを観た。

音楽、とてもよい。映像、鮮やかで夏。ストーリー、思ったよりシンプル。

移民とかアメリカンドリームの残滓とかの話については、「行き止まりの世界に生まれて」「ヒルビリーエレジー」などでしっかり見てしまったので、これが物足りないのは仕方ないとは思う。

映画が終わり、V6のチケットの当落確認。予想しなかったではないが、全滅。

失意の中、銀座ウエストでハムとヤサイのサンドイッチ、あとシュークリーム、キームン。

銀座ウエストの照明、あいかわらず昭和の病院みたいな不健全な白さ。これがレトロってこと? 昭和の病院に行ったことはないが……。


8月17日 くもり

人類みな兄弟思想の父方メンバーと、完全に自閉気質の母方メンバー、祖父母が亡くなったあとのもろもろの様相があまりにも、コントラストくっきり。

最近、母方の祖母が亡くなったのだが、そのあとの処理について兄弟間で全くコミュニケーションがとれていないようだ……。気をもんだ私の父が動き出そうとしている。


8/22 晴れ

朝10時の回を予約した己を呪いながら吉祥寺へ。「サマーフィルムにのって」を観た。

物語はいつでも、たった1人だけのためにあるのだなあと改めて思ってちょっと泣いた。

来週はかならず、「子供はわかってあげない」を観るぞ。

下北沢でパンを買って、近くのイタリアンで昼ごはんを食べる。ウェイターさんがやたらと「おなか具合はいかがですか」と聞いてきた。

「おなか具合」ってなんだ。「お湯加減」の仲間? 

質問の意図も分からない。

「おなか苦しくないですか?(量が多すぎなかったかの確認)」なのか、「まだおなかに空き容量があるのではないですか?(追加注文の教唆)」なのか分からない。ちなみに、量はそこそこ多かったし、お腹はいっぱいだった。

どう答えればいいのかわからず「大丈夫です」と曖昧な返答をしつづけた。

帰宅後、夜、町内の友人宅まで往復3キロほど爆チャリした結果、この夏1番の汗をかいた。22時頃にコロッケパンときんつばを食べて、かなりの背徳感に浸された。