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「今年は無理して映画観る」の進捗(6月の読書月記)

都内の映画館が営業再開したので、映画をいくつか観た。(「ひとよ」「三島由紀夫vs東大全共闘」「ANNA」「ソニック・ザ・ムービー」)

3月ごろから、映画を趣味にしようと思い立って無理やり映画館に行くようにしていた。配信系サービスで観た方が低コストで量を捌けるので効率的だと分かってはいるのだが、いかんせん私という人間が強烈に注意力散漫であるため、携帯やPCの画面で映画を観ていると徐々に他のこと(エアコンの温度設定、手元でぬるくなった飲み物、画面の埃etc.)に関心を持っていかれてしまい映画に集中できない。だから映画館じゃないと映画が観られない。座席に自分を縛り付け、映画以外の情報を極端に制限した環境下でないと、映画が観られない。

本当に映画が好きな人は、媒体を問わずいろいろと古い作品までさかのぼり、貪るようにして映画を観ているんだろう。そんなことは分かっている。何とでも言ってくれ。とにかく私は映画を趣味にしたいんだ。そして、既存の趣味(音楽鑑賞や読書)の世界と繋げ、広げたい。その一心で、映画の良しあしが一切分からぬ状態(途中で寝たか寝てないかの区別しかない)のまま、人の薦めに従って、興味の湧かない映画でも無節操に観るのを心掛け、はや3か月。

某映画を観ている最中。「もしかしてこの映画…演出がダサくないか?」という疑念が!頭を!よぎった!!!!

歓喜!!!!!

もしかして……

私の目…………

肥えてきている!?!?!!??

 

真相は分からないが、引き続き目を肥やせるよう無理やり映画を観ていきたい。

 

竹内佐千子 『2DK』 ①~④

若手俳優(駆け出しの舞台俳優からテレビでまくりの有名人まで幅広く)のオタクをやっている20代女子ふたりが仲良く2DKで過ごす日常。それだけの漫画。

フルカラーで絵柄が可愛い。

治安の良いつづ井さん的な感じ。(つづ井さんについて治安が悪いという言い方はそれはそれで語弊があるのだが、ああいう狂喜乱舞と悲哀のジェットコースターみたいなエキサイトメントは含まないという意味で)

何かのオタクとか趣味人の桃源郷がここにあるので、オタクを自負する乙女(自薦・他薦は問いません)は全員読んでください。

試し読み:

www.moae.jp

 

裸一貫! つづ井さん2 (文春e-book)

裸一貫! つづ井さん2 (文春e-book)

 

 つづ井 『裸一貫!つづ井さん』②

からの、つづ井さん2巻。

友人のジャニオタとオカザキさんは誰担当なのか問題について話したが、いま軽く調べたところ界隈ではもう結論が出ているようだ…(筆者が意図的に情報を制限して書き、伏せているのでもちろん書かないが)その人、私も好きだ~~~かわいいよねわかる~~~

 

 ブレイディみかこ 『ワイルドサイドをほっつき歩け』

前作『僕はホワイトでイエローで、ちょっとブルー』があまりにもあまりにもあまりにも良かったので、新刊も速攻で購入。

イギリスに住む著者(夫はアイルランド移民)が、身の回りに生きる労働者階級の「おっさん」たちの暮らしぶりについて書いた本。

ブレグジットで動乱するイギリスの「地べた」の温度感が面白おかしく書かれていて、楽しく読めるんだけど考えさせられる。

私にとってブレグジットとイギリスって、思い浮かべるのはニュースで記者会見する首相やら大臣やら政治家であって。この本に出てくる人たちはどれも、ナレーションの背景に流れている映像にうつっていた街角の人Aであり、広場に集まった人たちBCDEF…でしかなかったよなあ。

知らなかったことを知ること、見えてなかった場所を見ることのシンプルな快感に満ちた本。

 

 野田彩子『ダブル』①~②

これ面白い。天才俳優・宝田と、同じ劇団で彼を支える二流俳優・鴨島の奇妙かつ異常な結託の話。

宝田は持ち前の美貌と才能で、順調に芸能の世界を駆けあがっていく。

でも実は、文を読むのが苦手(たぶんトム・クルーズ的な)な宝田の演技は、いつもどんなときも、彼の”ダブル(映画やテレビドラマなどの主要な出演者がなんらかの理由によりあるシーンを演じることができない場合の代役俳優のこと)”である鴨島が台本を読み込み、演技プランを練ったうえで宝田にインプットしているもので…という話。

映画とかドラマが好きな人は全員読んで。少年漫画好きの知り合いも面白がっていたので、少年漫画畑の人も少女漫画畑の人もいけます。

 

猪ノ谷言葉 『ランウェイで笑って』⑯

 千雪ちゃんが好きなので活躍してくれて嬉しい限り。

 

西荻夫婦 (フィールコミックスGOLD)

西荻夫婦 (フィールコミックスGOLD)

 

 やまだないと 『西荻夫婦』

鳥飼茜浅野いにお夫婦が、ほとんど唯一くらい?共通して愛読している漫画と聞いた(気がする)ので購入。

表面上は平和な子なしアラサー夫婦。でも水面下ではいろいろと不穏な気配が…

という。

「子を持たないという選択をしたということは、自分の人生の時間を自分のためだけに使うということ。自分の時間を子供のために費やしてくれた両親には申し訳ないと思う」みたいなことが書いてあってウワ…と思った。それを言ってくれるな…。

結末の意味が理解できなくてYahoo知恵袋で調べてしまった。結論は出ず。結末の意味が理解できないからってYahoo知恵袋を見る奴は何をやってもダメって知ってた?知ってた。

 

 田素弘 『紛争でしたら八田まで』①②

BRUTUSの漫画特集で取り上げられていたので購入。

世界中で起きている様々な問題を地政学で解決する八田さん(めっちゃ強い)の話。

ミャンマーとか、イギリスの移民問題とか、世界情勢の勉強になるので引き続き読んでいきたい所存。こんなもの眉唾だぜって言えるくらいの教養が欲しいけどないのでありがたくこういうのを読んで知識をつけていく所存。

ストーリー展開は水戸黄門バリの安定感で常に八田さんが勝つので安心して読める!

てかやっぱモーニング・アフタヌーンは最強なんだよ。裏切らない。っていう話は前もしたな???

とにかくおすすめだからみんな読んで!!!試し読み↓

morning.kodansha.co.jp

 

鳥飼茜の地獄でガールズトーク

鳥飼茜の地獄でガールズトーク

 

 鳥飼茜 『鳥飼茜の地獄でガールズトーク

漫画家の鳥飼茜氏のお悩み相談コーナーとか、エッセイとかおまけまんがを集めた本。

地獄のガールフレンドのドラマが最終回を迎え(最高やった)、原作単行本はすでに持っているし、Kindleで番外編の短編も買っちゃったし、でもとにかくもっとジゴガー成分を摂取したい…!!!となって、絶版だったこれをAmazon Usedで購入。(Kindleは現在も販売中)

個人的には、「自分より仕事が出来なくて給料も低い同僚の女が、愛嬌があるからと言う理由で周りに優遇されて満足げにしているのが納得いかない」みたいな相談に対する鳥飼氏の回答に痺れた(下記)。

 御相談に出てきた永作似の10コ上は、おそらく彼女なりのマイルールに則って生活しています。そのルールにおいては、10コ下のあなたにお給料で引けを取っていてもその場を和やかにすれば良し、なのかもしれません。

 ゆきんこさんの最も優先させたい価値基準は一体どれでしょうか? すでに手に入れているものかもしれないし、それを手放しても選び取りたいものでしょうか? どれでも良いのです。自分の参加しているゲームのルールは自分で納得できるようにとことん加筆修正して良いです。

自分のことは、とことんマイルール好きなように甘やかせばいい。でも、それと同時に、他人のことをマイルールで測るのはナンセンスである、というのは何の反論の余地もない正論。

最近友達と、「寂しい」って何?どういう感情?孤独感や孤立感と同じか?などという話になった。

その途中で「寂しいからといって人間や動物と同居するのはいかがなものか」という話になり、その場ではその意見で一致を見たのだが、考えてみれば「自分の寂しさを他者(含動物)に解決してもらおうとしない」というのは私が勝手に決めたマイルールであって、自分がそれを破って他者に依存した時に「いかんいかん」と思うのは結構なことだが、それを他人にも適用して、コロナ禍まっただ中にペットショップで契約書にサインしている人を見て「ケッ」とか思う(実話)のは間違ってるんだろうな。

疑問を呈すのは良いが、批判するのはやめよう。うんうん。めっちゃ普通のことだが。