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2月の読書月記

この間友達と話してる時に、読んだ時の感想が残ってるとやっぱり便利だなーと思ったので、またもすぐ飽きる気がするが、読んだ本についてなんで読んだかとか、どう思ったかとかちゃんと書き留めておこうと思ったので始めます。あんまり冊数も多くないし。

 

 

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

 

いちばんここに似合う人ミランダ・ジュライ

 

去年の秋ごろに、(主因は岸本佐知子氏をフォローしているからだが)あまりにも私のTLに頻出する『掃除婦のための手引書』を読んで、あまりに読み進むのが遅くて、これはたぶん海外文学の文体に慣れていないせいだなと思い、多少無理をしてでも翻訳ものを読んだ方がいいなと痛感した。

それで、買ってあったけど読んでなかった翻訳ものにちょこちょこ手を付け始め、遥か昔に友人(大学の同期のはずなのにいつ会っても学生。5年かけて大学を卒業したあと別の大学に編入して、この春そっちを卒業した。春から大学院生)が、大学生協でたまにやってる「おすすめ書籍紹介カードをX枚書くとどうたら」キャンペーンで紹介文を書いたという『トーニオ・クレーガー』を読んで、

次にもはやいつ買ったかも思い出せないが、本屋で見かけると未だに昔のあのわくわく感が忘れられずつい買ってしまうヤングアダルト向け作家アレックス・シアラー『ガラスの封筒と海と』を読んだ。

 

それで、児童文学読んでる場合か、と思い、去年『あなたを選んでくれるもの』を読んで、ミランダ・ジュライ超いい、と思って、そのまま速攻で『最初の悪い男』と一緒に買って置いてあったやつを手に取った。

 

心に残る小説って、たいてい読み手を傷つけてくる。

これもめちゃくちゃそう。おぼろげな記憶だが、ほぼ全編こっちを傷つけてきた気がする。しかも鋭利な刃物でスッパリ、みたいな感じじゃなくて、雑に切った爪でぎぎぎとやられて、汚い指でそこをぐちゃぐちゃ撫でられる感じ。

『掃除婦のための~』もそうだったけど、まだたまに夢見心地(まあそれも笑気麻酔的な狂気の雰囲気はあったが)の話が挟まるから息つく間もあった。

 

これは違う、めちゃくちゃ傷つけてくる。全編つらい。

人が死ぬとかそういうことじゃなくて、登場人物の救われなさとかみじめさとか痛々しさに胸痛めた瞬間、そいつがこっち向いて「それに気付いたってことはお前もそうだから」って言ってくる感じ。

日常生活でいちいちそういうこと気にしてたら苦しくてまっとうな生活送れなくなるから、みたいなあれこれを突き付けられる。(これは名作あるあるだと思ってる…)

 

いわゆる「イヤミス」とかと違って、書き手の目線が素直なのも救いがない。

淡々としてて、逆にポジティブな解釈の余地とか与えてこない感じ。

つらい。のでこの本が大好きとは言えない。

確かキノべス取ってた気がする。本読みってM多いよな・・と思った。

 

美容院で髪を染めながら読んでたが、まあまあ濡れ場が多いので割と気まずかった。

イケメンのアシスタントにトリートメントされている間、致しているページにはできるだけ素早く目を通すことを心掛けました。

 

 

かしましめし 3 (フィールコミックス)

かしましめし 3 (フィールコミックス)

 

『かしましめし 3』おかざき真理

 

たしか千早茜島本理生Twitterで新刊読んだぞ~みたいな会話をしてて、ああ出たんだと思って買った。

おかざき真理は美麗な絵柄で結構ひどいこと(残酷なこと)を書くと思っているので読むとげんなりするんだよなあ…(もちろんすごい人だと思っているのだけど)と思いつつ、出てくるレシピが参考になりすぎるので購入。

1巻か2巻のバターチキンカレー、あと包まない餃子のレシピが有用すぎた。

とくに英治のエピソードがいつも本当につらくて。。。読み終わるとまあまあ病む。

『サプリ』を読んだ時も思ったけど、おかざき氏の書く人の狡さとか合理性とか、業の深さみたいなものにいつも背筋が冷える。

『サプリ』の名言みたいなのが1年に1回くらいTLに流れてくるが、えっほんとうにこれ救いになってる?みんなそういうのを受け入れた上で生きられてるの?大人だなあ…と思ってしまう。

あそこに書いてあることを全部飲み込んで生きられたら、人間として3段階くらいレベルが上がる気がする。

私にとっておかざき氏はもう仙人の領域と言うか…あのレベルの人間の愛憎模様を俯瞰で描けるってどういう人生経験!?と思う。ビビる。広告代理店の闇なの?子育てがそうさせるの?恐ろしい…

とかいいつつ怖いもの見たさで読んでしまう。。『&』はリアリティがさらにすごそうすぎて読めてない。

 

3巻は英治のつくるレタスの炒め物がおいしそうだった。作りたい。けど食べてくれる人がいない。

 

 

『さんかく窓の外側は夜 8』ヤマシタトモコ

 

新刊きたー。英莉可たんが味方になってから、いや、それまでも面白かったけど、占いのあんちゃんもまじえて最強異能者集団的なアベンジャーズ的な感じで、がぜん面白い。(アベンジャーズ観たことないです)

ヤマシタ氏…ついに宗教の話に手突っ込んだか…という風に生唾ゴクリで読んでたんですが、この、トンデモ設定の根底に、イニシエより伝わる「名前」と「呪い」の概念を入れ込んでくる感じ。さすがすぎる。天才なの?天才です。諸君、帽子を脱ぎたまえ。天才だ。(©シューマン

 

実写化するということですけど、全国ロードショーにするにしてはテーマがシビアすぎ&理解するために受け手にある程度の教養を求めてくるから、やっぱり主題は変えてくる感じになるのかしら…イケメン二人とおしゃれな音楽(ていうかEDM的な)・イケてる映像・スタイリッシュなアクションみたいな感じにならないことを祈る

これは『窮鼠はチーズの夢を見る』についても同じこと思ってますけど…行定監督さいきん追ってないけどどうなんだろう…

あと『さんかく窓~は』CG必須だと思うけど大丈夫かな…(日本映画のCGに対する漠然とした不安感)

 

 

自転車屋さんの高橋くん 1 (torch comics)

自転車屋さんの高橋くん 1 (torch comics)

 

自転車屋さんの高橋くん 1』

 

たまにTLに流れてくるのを拾い読みしてて、絵柄かわいいなーと思ってて、『塩田先生と雨井ちゃん』系列か?じゃあ好きかも、あ、単行本にまとまったんだと思って購入。

 

めっっっっちゃいい。まず、『塩田先生と雨井ちゃん』が好きな人は全員買ってください。何が同じって言われるとたぶん「行間の具合」とかそういうことなんですけど、とにかくいい。

やっぱりやんちゃなアウトローに突然愛されるっていうシチュエーションには抗いがたい魅力があるんですよ。『溺れるナイフ』とか。「となりの怪物くん」とか。いや全部菅田将暉やんけ。菅田将暉に愛されたいわけではない。いや、菅田将暉に愛されたいけど。愛してくれるって言うんなら。

 

個人的にはパン子と高橋君が汚い中華屋でごはんを食べるシーンが好き。

私は、高級フレンチもファミレスのドリンクバーも一緒に楽しめる人のことを好きな人(広義)だと思ってるので、主人公が気取らない場所で好きな人と楽しそうに腹を満たす姿を見るとにこにこしてしまう。。

 

石原さとみが着こなすCELFORDと、千葉雄大の黒髪ツーブロを見るためだけに観ていたドラマ「高嶺の花」でも、小汚い自転車屋がヒーローだったはずなんだけど、何をどうしてこんなに違うんだ。あのドラマの結末については言いたいことが7,8個くらいあるが、なんだかんだ毎週リアルタイムで見ていたので、一週間の生活リズムを作るのに役立ってました、とりあえずお礼だけ、ありがとうございました。

 

 

『一日三食絶対食べたい 3』久野田ショウ

 

2巻であんまり滾らなかったので買うか迷っていたが、最終巻と知って今さら購入。ぼやぼやしてたら最寄り本屋の在庫はなくなっていたよ。たぶん1,2冊しか入荷してないんだな。

こういう絵柄ね~。という絵柄。台詞少なめのSFによくある!たぶん市川春子とかそういう…

でもなんだかんだアフタヌーンが私を裏切ることはあるまい、と思って買って、読んで、買ってよかったわ。

 

私は目が死んでて頭が切れる寡黙なキャラというのが分かりやすく好きなので、スギタさんが相変わらずめっちゃ刺さる。刺さるのなんの。

 

特に大きなドラマもなく、どうやって終わらすんだと思ってたけど、結末に向けての展開がほんとうにちょうどよく適度にほどよく盛り上がって幕引きしたので良かった。大げさに盛り上げられたら興ざめだから。

 

一日三食きっちりとるとして、極論いつ終わるかも分からないこの人生で、誰と何を食べるかっておざなりにされがちだし、まあかといって死ぬときに「あの時あんなどうでもいい食事を…」とか後悔することもたぶんないんだろうが、やっぱり食事の時間をひとりだったり誰かとだったり積み重ねて一生は成り立ってるんだろうと思うし、

やっぱりリッカさんと離れてからのユキくんの食卓のことを想像すると胸がきゅっとなるわけですよ。斬新な話ではないんだろうけど、読んでよかったと思えるいい話だった…。アフタヌーンは私を裏切らない。(結論そこ)

 

 

春と盆暗 (アフタヌーンKC)

春と盆暗 (アフタヌーンKC)

  • 作者:熊倉 献
  • 発売日: 2017/01/23
  • メディア: コミック
 

 『春と盆暗』熊倉献

 

サブカルインテリ男友達の一人がこの漫画のワンシーンをLINEのアイコンにするほど愛していて、薦めてもらったのは結構前だったんだけど、『自転車屋さんの~』からの『一日三食~』からの流れで漫画漫画漫画という気分になり、ネットで取り寄せようとしたら絶版。(早いわ)

青い顔をしてダメもとで最寄り本屋の在庫を調べたら「在庫あり」うおおおお!最高の本屋だ!!!!急いで買いに走る。全然見つからなくて店員さんに探してもらう。

 

ああ…アフタヌーンは。アフタヌーンはなんでしたっけ?そう。私を裏切らない。アフタヌーンは私を裏切らないのよ。めちゃいい漫画でした。でもバカ売れするマンガじゃないのはわかる。キャッチ―じゃないもん。でもこういう漫画が好きな人って絶対いる。

 

こういうサブカルな雰囲気の、すっきりした絵柄の短編集ってある1ジャンルとして確立されてるなーと思ってて、本屋でもよく見かけるし、一時期好んでいろいろ試した時期もあったのだが、どうにも当たりはずれが激しくて買うのをやめていたんだけど、これはめちゃくちゃ良かった。

 

なんか、こういうのの「はずれ」のパターンって、きれいな絵柄でちょっと惨めのことをしたりとか、出てくる人が次々にシュールな言動してただただ謎とか、唐突にバッドエンドとかそういうやつだと私は勝手に思ってて、でもこれはひどいこととか刺すようなこと、読み手を突き放すようなことをしないでちゃんと優しいしちゃんと前向きだからすごい。

基本的に優しくて前向きなことで読ませる方が(すっきりした絵柄ならなおさら)難しいと思っているので、それを逃げずにやり遂げる作者の姿勢がまず乾杯すぎる。。。

 

会社の行き帰りでこの漫画を読み終えて興奮していたところで、その日はちょうど別のサブカル超インテリ男友達に会う約束をしていたので、「この漫画がよかったよ~」といって見せたら、普通にレストランで収録されている短編をまる1つ熟読し始めてびびる。2,3ページめくる感じじゃないんかい。まあまあの尺で沈黙。

「大衆受けするマンガじゃないと思うんだけど、私は好きなんだよ」と言うと、「そりゃそうだ。だってこれ、行間の長い漫画じゃん」との感想。なるほど。たしかに。

元々薦めてくれたサブカルインテリ男友達にそれを伝えると、「その感想が出てくるなんてすごい」と感銘を受けていた。何より。

 

ファーストラヴ (文春文庫)

ファーストラヴ (文春文庫)

 

『ファーストラヴ』島本理生

 

臨床心理士の主人公が、父を殺した女子大生の動機を探っているうちに、自分の過去の記憶まで引きずり出され、、、という。サスペンス?だと思うたぶんジャンルは。

島本理生の本は7割程度読んだと思う。かなり好き。

けど私は初期みたいなぼや~とした(内容ではなくて全体に漂う幻想的で不穏な雰囲気の話だ)恋愛小説が好きだから、直木賞をついに取ったときはガッツポーズをしたものだが、文庫化したら読もうと思っていて、文庫が発売になってすぐ読んだ。 

 

普通に面白かった。何が暴力でどこまで受け入れることができて正当化されるべきかというような話は、島本氏の作品では何度か見たことがありますが、いままでで一番真正面からそれを問うている気がします。

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

  • 作者:島本 理生
  • 発売日: 2017/06/08
  • メディア: 単行本
 

島本氏の小説っていつからこんなに食べ物の描写が丁寧に入るようになったんだっけ。『私たちは銀のフォークと~』(最近の島本氏の小説だと一番好き、なんか傷つかない恋愛小説を読みたい気分の人はこれを読んでください)のときは、それはそういう小説だからこんだけ食べ物の話が出てくるんだろうと思ってたが…まあいい。

 

島本氏自身がいろいろ飲み食いするの好きな人っぽいから、食べ物の描写がめちゃめちゃ魅力的。全体の緊迫感をゆるめる役割なのかしらん。

 

なんかでも、なんというか投げかけた問とか複線のようなものが、最後のページまでできっちり全部回収され、暫定的な答えを出されとなっていて、物語が一応の大団円を迎えたことにちょっとしょんぼりしてしまった。かつてなく、読み手に親切設計という感じが…

芥川賞の方向性はやめて、直木賞をとるってそういうことなのかしらん。。まあ邪推ですね。

今まで好んで島本作品を読んできた人に読んでもらって感想を聞きたい。

 

気まぐれセクシー迦葉くんのキャラ造形は島本氏の描く魅力的な男の真骨頂でした相変わらず最高。ドラマの平岡祐太もめっちゃよかった……エロ……。

 

 

ミステリと言う勿れ (6) (フラワーコミックスアルファ)

ミステリと言う勿れ (6) (フラワーコミックスアルファ)

  • 作者:田村 由美
  • 発売日: 2020/02/10
  • メディア: コミック
 

『ミステリと言う勿れ 6』田村由美

 

気付けば6巻!これは実家の母が買う担当なので、帰省したタイミングで読んだ。

TLでこれ読んでる作家みんな褒めてるよ!わかる!最高だもん!

ぜったいそのうち実写化されると思うんだよな。

整くんは間宮正太郎、ガロくんが城田優だな。(ルックスだけの話をしています)

整くんがときどき語る謎のリベラル演説はなんなんだろう…言い分は真っ当なんだけど突然感あるで…これ見て興奮する女性読者がおるんかと思っていたら、5巻かな?で出てきた子育て舐めるな的言説が、案の定そこだけ切り取って子育てアカウントかなんかでツイートされており、TLでウン万リツイートされておりちょっと笑ってしまった。そういう話じゃないです。

というか、普通に最高に面白いミステリ漫画だと思ってたら急にそういう社会派発言で背後からグッサリ刺してくるというのがたぶん楽しい漫画なので、そっちを切り取らないでくれ~~

 

それにしても引き延ばされ続けている謎の内容を忘れてきたから1巻から読み返さねば。。ミステリー系はこれだから。。。(『応天の門』しかり。こっちはもう二桁巻に乗ったので半ばあきらめつつある)

 

ぱくりぱくられし

ぱくりぱくられし

  • 作者:木皿 泉
  • 発売日: 2019/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

『ぱくりぱくられし』木皿泉

 

恋つづで数年に1度の佐藤健ブーム再燃

→私の中の最強佐藤健Q10」(木皿泉脚本)を思い出す

→SWITCHインタビューで木皿泉佐藤健が対談した時の文字起こしブログを読む(熱烈な佐藤ファンの方ありがとう)

→ウッ、佐藤氏、めちゃくちゃ役者業について語っている…(普段寡黙な武闘派・岡田准一ばかり追いかけているので饒舌に名シーンの裏側を語っている俳優を見ると戸惑ってしまう)

→ていうか木皿氏いいなあ、ドラマを見返す時間はないのでひさしぶりに何か読みたい。エッセイ(木皿食堂シリーズ)(たぶん妻の方が一人で書いてるのかな、?)はいまいちかもと母が言っていたが、最新のやつは対談形式かーならいいかな

→購入。

 

在庫を見つけた時嬉しくて勢いよく本棚から引き出したら背表紙の上んとこがちょっと裂けた。あるある…(涙)

 

めちゃくちゃ良かった。真っ当で優しい話を書く人たちだけど、冷静で捻くれた視座に立ってるからそれが寒くないんだと分かる。

あと、読書案内としてめちゃくちゃ秀逸。読みたい本が超増える。近代文学、古典、最新の漫画etc.

松田青子の『スタッキング可能』とか『読めよ、さらば憂いなし』が出てきて、『読めよ~』で木皿泉の話をしてたらしいんだが、思い出せなかったから実家に買ってあったのを母に送ってもらおうとして連絡したら「え?ないよ。こないだ売っちゃったんじゃない?」と言われた。とほほ…買いなおしか…。

 

 

キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)

 

『キッチン』吉本ばなな

 

相変わらず恋つづを観ていて、

佐藤氏ふんするどSドクターは8年前に恋人(蓮佛美沙子氏)を病気で亡くしているという設定なのだが、

最初の方こそ瀕死の恋人の前でくよくよする佐藤氏の回想シーンを時たま挟み込んでトラウマちらつかせていたものの、途中で主人公(上白石姉)とキッスしたりよろしくやってるうちにだんだんトラウマも克服されてきたっぽく、挙句の果てには先述の死んだ恋人には双子の妹がいましたジャジャーンてな感じで蓮佛氏が登場し、なぜか佐藤氏に突然告白し、もちろん当て馬に過ぎないので佐藤氏は秒速でお断りし…

とかなんとかしてるうちに死んだ恋人の話は全然出てこなくなってしまった。

え、いつのまにトラウマ克服した?というかもともとそんなに気にしてなかった感じ?上白石氏の無邪気さに魅了されているうちに大丈夫になった感じ?それともミッキー的な感じで妹蓮佛氏が出ている間は姉蓮佛氏(死んだ方)が出てきちゃダメとか?いやそれはないか、あそう、あそう…まじか…

 

元カノが死んだから、もう新しい彼女は作れませんとか、ことあるごとにトラウマに苛まれますとか、そういうのはまあたしかに現実に照らしたら嘘くさいと思うけど、かといって最初に「近しい人を亡くした」っていうモチーフを物語に盛り込んだなら、そのモチーフがいつしか登場しなくなるまでの過程をもっと丁寧に描写してくれや!!!!たとえばそう!!!!往年の名作『キッチン』のように!!!!!!!!

 

と思って、実家にあるのに辛抱たまらず近所で2冊目購入。会社の行きと昼休みで読破。最高。

初めて読んだ時は、みかげにとっての雄一みたいな人が自分にも現れてほしいと思ってうっとりしたものだが、改めて読むとそれは別に、もちろん素晴らしいことではあるけれども、全然幸せなことじゃないんだろうなと思う。喪失をきっかけに結び付くなんて、やっぱり平凡じゃなくて異常だし、こんなことがじっさい自分の身に起きたら全身引き裂かれるようにつらかろう。もちろん雄一みたいなグッドルッキングガイが現れる可能性なんて全然低いわけですし、、

でもやっぱり、「キッチン2」でみかげと雄一が初めて喫茶店でお茶をするシーンは胸キュンどころの騒ぎじゃなく興奮する。好き。

 

「ムーンライトシャドウ」の柊くんも良かったなあ。これも、絶対病んでるけど。リアルで想像したら壮絶すぎ。

 

よしもとばなな、『キッチン』をきっかけにいくつか読んだけど、この「リアルで想像したら壮絶すぎ」ということを一度意識してしまうとかなりこれも傷つく読書体験になるので、するすると読めてしまうけど気づくとげっそりしてた、みたいになる。

劇薬。

 

***

まじか、7600字も書いてしまった。

来月もできるといいな。。